2017/10/17 | スペシャル対談更新 |
2017/10/12 | スペシャル対談更新 |
2017/10/10 | スペシャル対談更新 |
2017/10/05 | インタビュー更新 |
2017/10/02 | インタビュー更新 |
2017/08/28 | サイト公開 |
ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王 オリジナル・サウンドトラック
- ・人気イラストレーター 左氏書きおろしによる超豪華3面デジパック仕様
- ・総収録時間5時間超の大ボリュームのサウンドトラック
- ・『ファイアーエムブレム外伝』(ファミリーコンピュータ)楽曲完全収録
- ・挿入曲「アルカディアの継ぎびと」各種ver収録(英語・インスト・ショート)
- ・ダウンロードコンテンツ追加楽曲各種、amiibo追加楽曲各種も完全収録
- ・『ファイアーエムブレム外伝』(ファミリーコンピュータ)楽曲完全収録
- ・『TCGファイアーエムブレム0(サイファ)』メインテーマ曲初収録
- ・タイトルループムービーHD版を収録
- ・フルカラー24P豪華ブックレット
- ・挿入曲「アルカディアの継ぎびと」歌詞掲載
- ・作曲者(辻横由佳、金﨑猛、馬場泰久)による音楽制作秘話をブックレットに収録
- ・超豪華特典同封
- 発売日
- 2017年10月25日(水)
- 販売価格
- 5,300円(税抜価格4,907円)
- 収録内容
- [Audio Disc]
Disc1:BGM 27曲収録
Disc2:BGM 23曲収録
Disc3:BGM 21曲収録
Disc4:BGM 20曲収録
[Data CD]
・BGM 63曲をMP3形式(320kbps)にて収録
・ゲーム内ムービーHD版収録
→タイトルループムービー
- 特典/仕様詳細
- 12cmCD 4枚+データCD 1枚
3面デジパック+Wブックケース+全24Pブックレット
オリジナルポストカード5枚
オリジナルステッカー
オリジナル「TCGファイアーエムブレム0(サイファ)」プロモーションカード1種 - 品番
- TSZM-0076〜0080
- JANコード
- 4589477665791
- レーベル
- Symphony No.5
- 発売元
- Tablier Communications inc.
- 販売元
- Tablier Communications inc.
- コピーライト
- © 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS
開発者インタビュー
『ファイアーエムブレム 新・紋章の謎 ~光と影の英雄~』から
シリーズの制作に参加。
『ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王』
(以下『Echoes』)サウンドディレクター。
『Echoes』の制作を振り返って
『ファイアーエムブレム外伝』(以下『外伝』)は、僕が小学生だった頃にリアルタイムで遊んでいてすごく印象に残っていましたので、こうしてサウンドディレクター兼音楽を 担当させていただくことができてとても感慨深いです。
25年の時を経て、ゲーム全体が徹底的にリメイクされるにあたって、音楽面でも「ファミコン音源からハイレゾ音源に!」徹底的にリメイクするぞ、という スローガンを掲げて、多くのみなさまのご協力を賜りまして、今回なんとほぼ全ての曲に生演奏を入れることができました。Dimension Cruiseの和田貴史さん(アニメ「テラフォーマーズリベンジ」、NHKスペシャル「MEGA CRISIS 巨大危機」「巨大災害 MEGA DISASTER」などの楽曲を担当)やスタッフのみなさま、演奏者のみなさま、そして辻横さん、大変お世話になりました。
インテリジェントシステムズサウンドスタッフも総動員という大規模な取り組みでしたが、関わってくださった みなさまのおかげで『Echoes』のサウンドを作り上げることができました。そして、この度めでたくサウンドトラックが発売されるとのことで、ただただありがとうの気持ちでいっぱいです。
代表的な曲の生まれる経緯
『Echoes』の音楽を作るにあたって、まず原曲がどれも素晴らしいので、アレンジするにも新曲を作るにもかなりのプレッシャーがありました。特に最終マップ(ドーマの祭壇)で流れる【神よ、その黄昏よ〈disc4-16〉】の制作は 印象に残っています。
原曲はファミコン音源ならではのカッコよさがあり、熱く、そしてメロディも感動的ですので、『Echoes』ではその良さをどういう形で落とし込めばよいのか悩み続けました。
あーでもないこーでもないと試行錯誤を重ねていくうちにレコーディングのスケジュールが迫ってきまして(汗)、結局、演奏するパートの譜面と楽曲の全体像が最低限伝わる程度のラフの状態でレコーディングに臨むことになりました。
そういうわけでレコーディング当日のコミュニケーションにもいつも以上に熱が入ったわけですが、それを差し置いて、さすが演奏者のみなさま。確かな技術や柔軟性を持った対応はさることながら、まるで完成形が見えているかのような 素晴らしい演奏をしてくださいました。
録れたてほやほやのデータを持ち帰り、すぐさま作りかけのプロジェクトファイルに 組み込み、情感豊かな演奏に聴き惚れながら、そのニュアンスが生きるように、そして頭の中で鳴っている音をひとつひとつ形にすることで、やっとの思いでアレンジを完成させることができました。
開発終盤の通しプレイで、この曲が流れるシーンにたどり着いたとき、キャラクター達の熱いセリフも相まって、思わず涙ぐんでしまいました。ドラマチックな『Echoes』の世界に相応しいアレンジに仕上げることが できたのではないかと思っています。
お気に入りの曲
好きな曲はたくさんあるので選びきれませんが、いくつか挙げてみます。
在りし日の唄〈disc3-1〉
4章の全体マップの曲です。原曲の叙情感は残しつつ、全体マップの曲として映えるようにうまくアレンジしてくださいました。いよいよ物語の終盤だ、と いうある種の名残惜しさと、消え入るような声に包まれた曲そのものの美しさに、通しプレイではしばらく手を止めて聴き入ってしまいました。
出逢い〈disc4-13〉
あの感動的な曲をここぞというシーンで使いたい、そんな思いを見事、アレンジ担当の村上が、様々な意図を汲んだこれ以上ない絶妙なアレンジに仕上げてくれました。ネタバレになるので言えませんが、とあるシーンでこの曲が流れたときの胸の熱さと鳥肌は忘れられません。
まだ見ぬ地平へ〈disc2-1〉
3章全体マップの曲です。『外伝』のメインテーマといっても過言ではないメロディをどストライクかつ抜群のアレンジで仕上げてくださいました。アルム とセリカ、それぞれの思い描く未来を目指して「まだ見ぬ地平へ」と進んでいく。そんな状況にピッタリなアレンジだと思います。
往く地の果てには〈disc3-2〉
自分の担当曲からもお気に入りを1つ。4章アルム側の戦闘マップの曲です。実はこれ、「戦闘マップ2 戦闘MAP1_2(アルム2)曲」をベースに大胆にアレンジした曲なんです。曲自体が好きなこともあるのですが、ゲーム中でこの曲が流れるあたりでは、キャラクター達の支援会話もグッとくる内容のものばかりで、とても心に沁みます…。まだの方はぜひプレイされてみてくださいね。
お客様にメッセージを
原作を遊んでくださったみなさまにも、『Echoes』で初めて『外伝』に触れたという みなさまにも、分け隔てなく喜んでいただけるような、そしてゲーム体験への没入感を 助長できるような、懐かしくも新しいサウンドを目指して制作しました。
聴き応えのあるサウンドトラックに仕上がったと思いますので、ぜひお手に取っていただき、思い思いに楽しんでいただけますと幸いです。
『ファイアーエムブレム 新・紋章の謎 ~光と影の英雄~』から
シリーズの制作に参加。『Echoes』サウンドクリエイター。
『Echoes』の制作を振り返って
確固たる原典(辻横さんの原曲)、そして時を越えて今新たに語られる叙事詩(追加シナリオ)…。その中で僕たちは何を奏でるべきなのか――。…的な難しいお題に直面して、なんだかこれ自体ファイアーエムブレムの中の話みたいじゃない?と頭を抱えつつ 素晴らしいパーティの一員として最後までロストせずに走り抜けられたこと、うれしく思います。比較的ルナティックでした。ひとえに助力くださった皆様、いつもファイアーエムブレムを楽しみにしてくださっている皆様のおかげです。ありがとうございました。
代表的な曲の生まれる経緯
今作の【ファイアーエムブレムのテーマ〈disc1-3〉】のテーマのアレンジを担当させていただきました。大きな編成のコーラス隊が歌い上げております! が、実はこれ、意外と少ない8名の歌い手さんによるものなのです。あとはイリュージョンの魔法で10倍くらいに増員しました。というのは冗談で、歌い手さんの技量に加え、録音・音の混ぜ方の工夫という、和田さんの魔法が使われています。プロデューサー樋口の、数回にわたるこだわりの熱いリテイクも乗り越え、迫力あるアレンジに仕上がっております。
お気に入りの曲
【高慢と誇りと〈disc3-16〉】は、クラシカルな雰囲気が他の曲とは異質で、全体のバランスの中でもワンポイントとして際立ったかっこよさが素晴らしいと思います。ワルツ調の迫力ある曲というのも個性的!一方で【ひとつの星の傍らに〈disc3-8〉】と【遠い約束〈disc3-9〉】のような抒情的なとても美しい曲でお気に入りです。「あ~、いい曲」と呟いてしまいますよね…。僕もいい曲書こう、と頑張ったのが【兄妹〈disc3-6〉】という曲で、地味めですが、こちらも割と気に入っています。
お客様にメッセージを
僕が、『外伝』の曲を聴いたとき、25年前の楽しく遊んだ思い出が呼び起こされるように、皆様が、四半世紀後に『Echoes』の曲を聴いたとき、アルムやセリカたちをキラキラと思い起こして頂けたら最高です。どうぞ、よろしくお願いいたします。
『ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣』から
シリーズに関わる。『Echoes』ディレクター。
『Echoes』の制作を振り返って
個人的に『外伝』は少年時代に夢中になった、非常に思い入れの強いタイトルでした。今回、リメイクという形で『Echoes』にディレクターとして関われたことは 今振り返っても非常に幸せであり、……どちらかというと、人生、そういうこともあるのかと、不思議な気持ちでいっぱいです。
全体としては制約が多い中での開発でしたが、今回もいろいろな初挑戦ができました。ムービーパートでご協力いただいたスタジオカラーの物づくりに触れて新鮮な刺激を受けたり、シリーズ初のフルボイスに挑戦してみたり、アクションゲームみたいにダンジョンを走り回れたり…… 音楽面ですと、ほとんどの曲に生楽器の音を取り入れてハイレゾで音源を作ってみたりと、チームとしても非常に多くの経験値を得ることができました。
作詞を担当した
「アルカディアの継ぎびと」について
エンディングに歌唱曲を流すことが決定してから、『ファイアーエムブレム Echose もうひとりの英雄王』という プレイヤーの体験の締めくくりを飾るのにふさわしい内容にしたいと、まさしく推敲の故事成語の通り、数日間悩みに悩んでいました。その際に、文字を一文字置き換えるだけで、目の前に見える風景が変わるという、作詞のおもしろさのようなものに触れることができました。
他の場所でも触れたことがありましたが、ミラの視点で、かつてのドーマへの愛情、ふたりの神の楽園だったバレンシアの大地が自分たちの手を離れ、若きリーダーたちに導かれる人間たちの手に継がれてゆくさまを見届けてゆく静かな意思……という内容となっています。
金﨑のメロディーに、Janis Crunchさん(海外版はBonnie Gordonさん )の素晴らしい歌声も得て、最高の曲になったと思っています。手前味噌で恐縮ですが、一番思い入れの深い曲になっています。
実は、
他にも歌詞のある曲があるそうですが?
最終的に何曲作詞したんだろう、と当時の作業ファイルを見ると、「アルカディアの継ぎびと」の他に、8曲分の作詞をおこなっていました。それらは馬場の手で造語に変換される前提の作業だったので、文字数はあまり意識せずにその曲が使われる場所と、ゲーム側のテーマ性を意識して作業を行っています。
そんなわけで、世に出ないものではあるのですが、見えないところに力を入れて建物を作っていたといわれる 江戸の大工のように、こういったところに手を抜かないことで魂がはいるのではないか、という思いで取り組んでいましたが、作詞というのも奥深いもので、なかなか苦労していました。
ファイアーエムブレムのテーマ〈disc1-3〉
今回のテーマだった、運命に導かれた男女がそれぞれの力と愛によって仲間を導き、黄昏の神の世を終わらせ、人の世へ引き継ぐ、という内容になっています。そういう意味では、実は「アルカディアの継ぎびと」を異なる視点から歌った内容になっています。
在りし日の唄〈disc3-1〉
原曲のタイトルでもあり、4章の章タイトルである「悲しみの大地」のイメージで、大地母神ミラの悲しみを歌い上げたものです。誰の視点か、となると、ミラのしもべの視点になっているように思います。
亡国の王者〈disc3-18〉
限界が訪れた神の世を終わらせるためにリゲルの民、ソフィアの民、はてはドーマに至るすべてのものを欺き、恐ろしい暴君としてふるまいつつも、バレンシアの未来のためにアルムに討たれ、やがて訪れるであろう人の世のための礎となるルドルフの覚悟をイメージして歌い上げた内容です。
黒の貴公子〈disc1-20〉 純黒の皇子〈disc3-15〉
リゲルの民や貴族の目線から、リゲルの次期皇帝と目されるベルクトを気高い鷹になぞらえ、称賛する内容となっています。
タイトルループ〈disc1-1〉
上記、メインテーマの別バージョンのような形で、今回の主題を込めた内容となっていました。
妄信の頂〈disc3-10〉
かなり口数は少ないのですが、ドーマの視点で、自分についてくるものたちに対し、ある目的のために力を求めることを呼びかける内容となっています。
怒れる女神〈disc2-21〉
もともとはミラ神殿が襲撃されるムービーの冒頭で、シスターたちが歌っている歌のためにイメージで作詞したものです。これだけ、曲なしで作詞をおこなっていたように思います。ミラ教団の信者の視点で、現在の豊かさに感謝し、大地母神ミラを讃える内容となっています。
お気に入りの曲
特に思い入れが強いのは作詞も担当させていただいた【アルカディアの継ぎびと〈disc4-20〉】それ以外にもお気に入りの曲だらけなのですが、その中で強いてあげるならば 【まだ見ぬ地平へ〈disc2-1〉】がお気に入りです。
ワールドマップ上で、力強く前に進む力を与えてくれるような気がしつつ、進軍せずに曲を聞き続けることが多かったです。
お客様にメッセージを
原作である『外伝』が大好きだった人にも、『Echoes』から新しく触れていただいた人にも楽しんでいただける、聴き応えのあるものになっていると思います。今回のサウンドトラックを、ぜひ手にとっていただければと思います。
第1作『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』からシリーズの楽曲にたずさわり、『Echoes』ではサウンド監修をつとめる。
FC版時代の思い出
FC版時代のシリーズ1,2作は、開発のなにもかもが初めての事でしたので色々な 方のサポートの元で手探りで作りました。書いた絵が動く、入力した数値が音になって 再生される、それが同期して画面上で生き生きと動き始める、感動したものです。
手探りの中でも『外伝』は2作目であり同じハードであったということで、システム のノウハウやある程度根底のプログラムは出来ていたので、1作目より音楽的な面に 時間を費やす事ができたかな、と思い返すとそう感じます。
『外伝』と命名されたこともあり、従来(昔のシリーズですが)の一本道とは違い、プレイヤーに進路をゆだねる自由があるRPG色が強く出たシステムでしたので、音楽もシステムチック(フラグ的)ではなくより感情移入しやすい情景にあった、気持ちに沿った表現を目指せました。
代表的な曲の生まれる経緯
オムニバス形式のエンディングテーマ 「エンディング1」
ほぼすべての曲をベタにひっつけて思い出にひたろう!初期のエンディングはこのパターンでした。
エンディングはゲームの余韻に浸り、苦労したり感動した場面を思い出すとても感慨深い時間だと思うのです。各キャラクタ達のその後が語られるので目が離せませんね。なので、曲も エンディング用というよりは、(多少無理やりであっても)ゲーム中に流れた曲をもう一度流したいという思いで生まれたパターンです。
強引に繋げてますね・・・音楽的にはとても(汗)
3DS版の楽曲を聴いてみて
『外伝』プレイヤーには懐かしくもあり、『Echoes』オリジナルストーリーもミックスされシステムも大きく工夫されてとても新鮮な新しいゲームになっていますよね。
『外伝』のもつメロディアスで冒険的な楽曲を、分かりやすく重厚にまた美しくアレンジされていて、『Echoes』オリジナル曲ともほどよい交ざりで、とてもよかったです。
私は”こだわらない”というのが、こだわりだと思っていまして、アレンジャーやコンポーザーの曲の解釈で新しいものを生み出していってもらえれば、それが新しいFEのサウンドに なっていくのだと思っています。
お客様にメッセージを
FEシリーズにまた新しいサントラCDが加わって、とてもうれしいです。(最近の豪華なCDは、並べるだけでも満足ですよね!)やっぱり語ってしまいますが、FEは「愛」がテーマです。それぞれ皆さんが自分で作り上げたFEの世界と一緒に、作り手の愛も感じてサントラを是非聞いてくださいね。
スペシャル対談
シリーズ第1作目から楽曲にたずさわり、『ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王』(以下『Echoes』)ではサウンド監修もつとめる辻横由佳さん。
今作の元となる『ファイアーエムブレム外伝』(1992年発売)でも作曲を担当され、ファイアーエムブレムの世界に欠かせない人物の1人です。
そんな彼女が生み出してきた音楽を引き継ぐ、『Echoes』サウンドディレクターの金﨑猛とサウンドクリエイターの馬場泰久は、オリジナル楽曲をどう現代のゲーム音楽へと昇華させるか、試行錯誤しながら制作に取り組んだと言います。
原曲、アレンジ、そして新たに収録された楽曲の数々を振り返りながら、ファイアーエムブレムシリーズの音楽にこめられた3人の想いを対談形式でお贈りします。
もくじ
1. 楽曲づくりのコンセプト
-
金﨑
- 今作は『ファイアーエムブレム外伝』(以下『外伝』)のリメイクということで、
リメイクといってもいろんな形がある中で、『Echoes』はどういうゲームになるのか、
それに対して、サウンドはどう着地させていったらいいかということに悩みました。
1992年の『外伝』発売から25年を経てのリメイクということですし、
ハードもファミリーコンピュータ(以下、FC)からニンテンドー3DS(以下、3DS)
へと大きく変化しています。3DSならFCに比べて自由度も高くて色々とできます。
どうせやるんだったら、FC音源からハイレゾ音源へ徹底的にリメイクしよう!
と考えて制作をスタートしました。
ハイレゾ音源って簡単に言うとCD以上の高音質のデータのことです。
- 今作は『ファイアーエムブレム外伝』(以下『外伝』)のリメイクということで、
-
馬場
- そうですね。
-
辻横
- それはまさに、ぜひお願いします、やってくださいと(笑)。
FCに携わった時点では、三和音だけというものでしたから。
「自由にできたら、どれだけよいだろう」という葛藤はずっとあったんです。
それを『Echoes』で実現していただいて、よかったなと思いますね。
- それはまさに、ぜひお願いします、やってくださいと(笑)。
-
馬場
- 当時の、『外伝』のサウンドコンセプトというのは――。
-
辻横
- 当時は多人数でチームを組んで制作するということでもなかったですからね。
デザイン、プログラム、サウンド、というように一人一役でしたから、
「コンセプト」とかかげるようなキーワードはなかったですね。
それと、参考になるもの、「子供のころに影響をうけたゲーム」が
我々の時代にはなかったので、本当に手探りで。
とにかく出せる音を探そう、題材にマッチするものがあれば、
それを突き詰めていくという形で作っていましたね。
- 当時は多人数でチームを組んで制作するということでもなかったですからね。
-
馬場
- オーケストラでの演奏を想像して、という感じですか?
-
辻横
- 当時、ゲームのサウンドというものは肩身が狭いというか、
音楽というよりは効果音、環境音に近いものでしたのでね。
オーケストラ風に、などというよりは
「3音、4音で何が出せるか」ということ、
そっちだけ(意識していましたね)。
頭の中のオーケストラ(の演奏)から絞って絞って……
という感じだったと思いますね。
- 当時、ゲームのサウンドというものは肩身が狭いというか、
-
金﨑
- 当時プレイしていた記憶では、音が少ないとか、
そういった点を意識したことはなかったですね。
- 当時プレイしていた記憶では、音が少ないとか、
-
馬場
- FC音源ならではのよさというものも、ありましたからね。
-
辻横
- 独特のね。そういうのありましたね(笑)。
-
金﨑
- 『外伝』はFCの音源で奏でられていることもあって、
メロディがくっきりと聴こえますよね。
だから『Echoes』でアレンジするにあたっても、
メロディはしっかり立たせたいと思いまして、
それでメロディの楽器を生演奏するのはどうかと考えたんです。
FCならではの音使いに対して、
今回どういう音色でアプローチするのかについては特に慎重に考えました。
- 『外伝』はFCの音源で奏でられていることもあって、
-
馬場
- FCは使える音が少ないからこそ、
美しくて飽きないメロディが追求されていたと思います。
- FCは使える音が少ないからこそ、
-
辻横
- (ある意味で)究極の音源……
要らないものを削いでいった残りみたいなものでね。
嘘がつけないというか。
- (ある意味で)究極の音源……
-
金﨑
- 音色も調整次第で変化をつけられるんですよね。
あたたかい印象にも冷たい印象にもなりますし。
僕、FCの音も好きですよ。
- 音色も調整次第で変化をつけられるんですよね。
-
馬場
- その『外伝』のBGMをあらためて聴くと、
容量の制限などもあり、1分未満のループしてる曲が多いんですよね。
- その『外伝』のBGMをあらためて聴くと、
-
金﨑
- 『Echoes』ではそのまま1ループとして採用した曲もあれば、
状況によって……シナリオのテキストも増えて、フルボイスになって、
キャラクターの心情の表現もより増えていましたので、
それに合う形で必要があれば長く、
ドラマティックにアレンジする
ということにもチャレンジしてみましたね。
- 『Echoes』ではそのまま1ループとして採用した曲もあれば、
-
馬場
- その中でも基本のメロディは大事にして、っていう。
-
金﨑
- そうですね。大事に。
-
辻横
- やっぱりね、元の曲が1分ないものだったので、
それを膨らませるというのはアレンジャーのね、
センスが必要なんです。
そこはもう、バッチリだったんじゃないでしょうか……(笑)。
- やっぱりね、元の曲が1分ないものだったので、
-
金﨑&馬場
- ありがとうございます!
-
金﨑
- よかった! ホッとしました(笑)。
-
馬場
- ホッとしました(笑)。
もちろん、監修の段階で聴いていただいてはいましたが……。
- ホッとしました(笑)。
2. 監修のながれ
-
金﨑
- 今回のアレンジの方向性の大枠は僕が設計していきました。
制作を進めると新曲も必要になりましたので、
馬場やほかのサウンドのスタッフとでデモを作ってみて、
ある程度そろった時点で辻横さんにお話をして……。
こちらの考えをお伝えして、というところからスタートしましたね。
- 今回のアレンジの方向性の大枠は僕が設計していきました。
-
辻横
- そちらの中で「これはちがう」とか、
「ここはこうだ」とか……そんな議論はありました?
- そちらの中で「これはちがう」とか、
-
金﨑
- いえ、僕らサウンドスタッフの間ではそんなに反対意見はなかったですね。
あとはディレクターの草木原の意向もありましたので、それを盛り込んで……。
草木原の意向というのは2つあって、ハイレゾには是非対応してほしいということと、
メロディアスな原曲の魅力を大事にしてほしいということで、
最初にすごく力説されました(笑)。
- いえ、僕らサウンドスタッフの間ではそんなに反対意見はなかったですね。
-
馬場
- 思い入れがすごかったよね!
-
金﨑
- ですね(笑)。実際の制作に入ってからは、
草木原にもそのつどデモを聴いてもらいながら。
その後に辻横さんに監修していただくという流れですね。
- ですね(笑)。実際の制作に入ってからは、
-
辻横
- 監修はいつもその、どこまで踏み込んだらいいのか手探りですね……。
おふたりが制作に初参加された『ファイアーエムブレム 新・紋章の謎』では
立ち上げの頃にかなり困ってらしたので、
何かと突っ込んで一緒には作ったんですけど。
それからはね、確立されたものがあるし、進化してらっしゃる。
- 監修はいつもその、どこまで踏み込んだらいいのか手探りですね……。
-
- 私のポイントとしては 雰囲気的に違うとか、
ファイアーエムブレム(以下、FE)のイメージからは離れているとか、
一定の方向に偏ってしまうとか……。
あと気をつけたいのは、ほかのゲームの何々っぽいというか、
そういうものにはならない方向であれば、自由でよいと思って聴いています。
曲自体は、皆さん完成されたものを持ってこられますからね。
中身に対してどうこうというのはないので。
その曲がシーンに合うか、適しているかとか、
感情の盛り上げができるかとか、そういう面を気にしていますね。
- 私のポイントとしては 雰囲気的に違うとか、
-
馬場
- 大事ですね。
-
金﨑
- 印象に残っているアドバイスとしては、
全体マップの曲のアレンジに関してなんですが、
原曲のイメージは、叙情感がありつつも格好よくて力強い印象で。
それで、その方向性のデモを辻横さんへ提出しましたところ、
「全体マップはもうちょっと穏やかなアレンジのほうがいいんじゃない?」
というご意見をいただきまして。
- 印象に残っているアドバイスとしては、
-
辻横
- FEは、わりとハイテンションでマップを攻略していくゲームなので……。
-
馬場
- 一度戦闘が終わって戻ってきても、
格好いい曲でまたテンションが上がってしまう(笑)。
- 一度戦闘が終わって戻ってきても、
-
辻横
- FEはキャンペーン型(複数回のプレイを継続していく)の物語なので。
それぞれの、1話完結の中でも盛り上がりがあるんですけど、
物語全体にも大きな流れがあって。
やっぱり曲にはそれぞれパワーを注入して作るんですけど、
組み込んで実際にプレイしてみたときにずーっと続くとね。
疲れてしまうでしょう(笑)。
だから序盤は抑え目にするとか、ここで盛り上げるだとか、
そういう案配は必要ですね。
『Echoes』でもそういった曲の構成、
組み立てには工夫をされたのではないかと思います。
- FEはキャンペーン型(複数回のプレイを継続していく)の物語なので。
3. アレンジってどんなことをしている?
-
金﨑
- 原作の『外伝』を遊んでくださった方が
リメイクの『Echoes』を遊ばれることを考えたとき、
原曲に思い入れがある……僕も同じ立場なんですけど(笑)、
そのイメージと大きくズレていたら残念に思うだろうと。
これは主観の問題でもあるので難しいところですが、
原曲から受ける印象になるべく忠実に……
正統進化したものにしたいという思いがあったんですね。
それを最初に形にしたのが
【解放への勇進(disc2-3)】というアルム側のマップ曲です。
- 原作の『外伝』を遊んでくださった方が
-
金﨑
- この曲を作ったときに、その……色々なことが見えてきまして。
原曲はFCで三和音という少ない音数で音の響きが表現されているんですね。
例えばこの曲の冒頭の
♪ミーラドミソミドファー♯、ラレファ♯ファー、ラレファ♪……
というメロディは、Am、D、Dm、という
コード(和音)の構成音が全て含まれていて、
メロディを聴いただけでもハーモニー感が伝わってくるようになっているんですよ。
流れるようなメロディラインやテンポ感もそれを後押ししていて。
そんな原曲に対して、今回生演奏を入れようというときに、
演奏面を気にしてテンポをゆっくりにしたり、音符を間引いたりすると、
印象が変わってしまうと思ったんです。
だから、意図的に「変えよう」と決めてアレンジする曲以外は、
基本的にテンポもあまり変えず音符も忠実に。
あと、受ける印象に大きく影響しそうなハーモニー感についても
変えずに作ったら僕の思う正統進化なんじゃないかな?
と思って、それらを今回のアレンジの指針としました。
- この曲を作ったときに、その……色々なことが見えてきまして。
-
辻横
- もう、ありがたいことです。おっしゃるとおりなんです。
(FCでは)コードというものを表現できないので、
どうするかと考えたときにね、メロディの崩しで表すとか。
よくあるベースのパターンで、ララララ、ソソソソ……
のような繰り返しで曲を作るとか。
コードをスルーした記号的な音作りとか。
この頃はどんどん音楽が進化していった時代でもあり、
それぞれのコンポーザーが工夫していましたね。
せっかく音楽を経験した自分が入ったので、
すこしはメロディとしてできればいいなと。
『外伝』のそれを感じとって、『Echoes』で広げていただいたんですね。
- もう、ありがたいことです。おっしゃるとおりなんです。
-
金﨑
- 格好よく言えば、音で25年前の辻横さんと会話をさせていただいたという(笑)。
-
馬場
- 原曲を解体して、辻横さんはこう考えてたんじゃないかと、
こうやって作ったんじゃないかと理解しようとしたんですね。
これは愛……FEへの愛ですね。
この話題は最後に残しておいたほうがよかったんじゃないですか。
話が締まっちゃった(笑)。
- 原曲を解体して、辻横さんはこう考えてたんじゃないかと、
-
辻横
- ふふふ(笑)。
-
金﨑
- そういうことで、アレンジを作ってみて初めて、見えたものがあったと。
今回は複数の方に楽曲制作をお願いさせていただいたのですが、
目指す方向が定まってきたところで、まずは馬場にパスを出しました。
- そういうことで、アレンジを作ってみて初めて、見えたものがあったと。
-
馬場
- 聴かせてもらって、今回こういう方向でやるんだ、
という自分なりの理解は早かったように思います。
日頃、金﨑とはよく話もするし、彼の性格ならこういうことかな、
というイメージができたのかもしれません。
- 聴かせてもらって、今回こういう方向でやるんだ、
-
金﨑
- 入社してから10年間ずっとお世話になっていますからね(笑)。
-
馬場
- いやいや、こちらこそ(笑)
-
辻横
- たぶんね、我々の場合は言葉のコミュニケーションより、
サウンドひとつポンと鳴らしたほうが通じるんだと思いますね(笑)。
- たぶんね、我々の場合は言葉のコミュニケーションより、
-
馬場
- ぶつかるときはぶつかるんですよ。
わからない指定とかがあれば。でも全体的にわかりやすかったですね。
- ぶつかるときはぶつかるんですよ。
-
金﨑
- それで最初にできたのが【ミラの加護とともに〈disc2-11〉】です。
アルムに対してセリカの戦闘マップ画面の曲ですね。
【解放への勇進〈disc2-3〉】の対になる曲なのでちょうどよいと思ったんです。
- それで最初にできたのが【ミラの加護とともに〈disc2-11〉】です。
-
馬場
- これを聴いて「イケイケだな」って思いましたよ。
-
金﨑
- セリカが舞う姿が浮かびますね。
-
馬場
- スピード感が気持ちいい。
-
辻横
- この曲、たしかセリカのために作ったものではなかった……。
-
金﨑
- そうだったんですか!?
-
辻横
- そのときはまだストーリーなどを把握して作ったというよりは、
男の子の、女の子の冒険物語、友情物語としてのイメージでしたね。
ちょっと話がずれるかもしれませんけど、
FEは基本的に「人の物語」だと思うんです。
- そのときはまだストーリーなどを把握して作ったというよりは、
-
馬場
- 人の物語…。 たしかにそうですね…。
-
辻横
- たくさん世の中にいないもの、
空想のものが出てきますけど、物語の主役は人で、
音楽のイメージもそこからは外さないという狙いがあったんです、
一番初めの『暗黒竜と光の剣』では。
でも『外伝』には目玉のビグルとか、出ちゃいますよね(笑)。
いわゆるRPGみたいな感じのモンスターがたくさん。
なら、そういう曲を入れてみようか、そんな発想を楽しみながら作ったんです。
自分のファンタジー観、RPG観……。
そういったものや、自分のやってきた音楽を取り入れようという感じでしたね。
- たくさん世の中にいないもの、
-
金﨑
- なるほど。『外伝』の音楽には、『暗黒竜と光の剣』よりも、
辻横さんの感性がより直接的に入っているというわけですね。
- なるほど。『外伝』の音楽には、『暗黒竜と光の剣』よりも、
-
辻横
- そうかもしれないですね。メロディアスに、物悲しさを出したりとか……。
-
馬場
- 僕はセリカの曲を初めて聴いたときに、実はちょっと意外だったんですよ。
彼女は、お姫様じゃないですか。
それが少ない仲間を連れて、暗い場面からスタートするから、
もうすこし怖い感じなのかなと。でも実際の曲は――。
- 僕はセリカの曲を初めて聴いたときに、実はちょっと意外だったんですよ。
-
金﨑
- 「行くわよ!」的な(笑)。
-
馬場
- そう、イケイケで。
それはきっと、剣も使うし、ただただ弱いお嬢様ではない、
戦うヒロインなんだよと。力強い男ではなく、
スピード感のある……戦闘アニメで跳んだりしますよね。
そういうところに合わせられたんだろうと思ってたんですよね。
- そう、イケイケで。
-
辻横
- セリカってね、お姫様ですけど、飛び出しますよね。
自分の意思で。
- セリカってね、お姫様ですけど、飛び出しますよね。
-
馬場
- アルムとケンカ別れもしますしね。
-
辻横
- 当時にコンセプト的なものはないという話をしましたけど、
中身のストーリー設定、キャラクター設定はすごく緻密に用意されていましたから、
それらが曲のイメージにつながっているとは思いますね。
- 当時にコンセプト的なものはないという話をしましたけど、
-
馬場
- ああ、それでフィットしてるんですね!
アレンジ版にはフルートを使っています。
セリカは木管のやさしい音色、アルム側はホルンとか力強い感じで、
対照性を出そうと、金﨑と相談して決めました。
- ああ、それでフィットしてるんですね!
-
金﨑
- そうですね。
アレンジに関しては、
僕が原曲にかなり忠実にアレンジしようとしていたのに対して、
馬場は挑戦的な手を加えてきて。
最初は、ここまでやっていいんだろうか?
というサウンドディレクターとしての悩みはあったんですけど、
1ループ目は比較的原曲に忠実で、
2ループ目にそういった試みが入っていて、
曲全体としてとてもいい仕上がりだったことと、
『Echoes』の世界観によくマッチしているなと思ったので、
(馬場のアイデアのままで行くことに)決めました。
- そうですね。
-
馬場
- 2ループめは1ループめとは少し違う雰囲気にしてみました。
-
辻横
- ドライブ感があっていいですね。
-
金﨑
- ハーモニーの彩りも豊かですよね。
結果的に、この曲が全体のアレンジの振れ幅の指標になりましたね。
- ハーモニーの彩りも豊かですよね。
4. 『外伝』の音作りについて
-
馬場
- 『外伝』のサウンドを掘り下げてみると、
特徴のひとつに「変拍子」という点があると思っているんです。
- 『外伝』のサウンドを掘り下げてみると、
-
金﨑
- たしかに、変拍子の曲、たくさん入っていますよね。
でも普通に聴いていたら気づかない曲も多くて。
辻横さんの曲って、
変拍子でも自然に聴けちゃうキャッチーさがあるんですよ。
- たしかに、変拍子の曲、たくさん入っていますよね。
-
金﨑
- 変拍子といえば馬場さん、
敵フェーズの戦闘の曲がすごいって言ってませんでしたっけ?
- 変拍子といえば馬場さん、
-
馬場
- そうなんです。
【戦い2(CP側)〈disc5-45〉】という敵フェーズの戦闘曲ですね。
まず、変拍子とは何なのか、というところなんですが……
普通、ノリやすい曲というのは、
例えば「1、2、3、4」「1、2、3、4」のように
同じリズムをかたまりで数えていけるものが多いと思うんです。
「4拍数えるのを繰り返すんだな」という風に。
そこを、この曲は、実は13拍をひとかたまりで数える、変拍子、
つまりちょっと変わったリズムの数え方の曲になっていたんです。
しかもテンポも速いので数えるのが難しくて……
ただ聴いているだけでは普通にノれて、
すごくカッコいい曲なんですよ。
はじめ気付かなくて、耳コピーして楽譜にしてみた時点で、
「僕、聴き間違ってないか……?」と不安になって何回も数えました(笑)。
- そうなんです。
-
金﨑
- 原曲を聴いてみましょう。
-
金﨑
- 改めて注意深く聴くとかなり複雑な変拍子ですね……。
でもやはりキャッチーですね。
- 改めて注意深く聴くとかなり複雑な変拍子ですね……。
-
辻横
- 細かく数えずに、メロディの動きなどで大きくとらえるとね、
ぜんぜん違和感はないんですよ。
- 細かく数えずに、メロディの動きなどで大きくとらえるとね、
-
金﨑
- なるほど、
もしかすると普通に聴いているときは
無意識のうちにそうとらえているのかもしれませんね。
だからスーッと入ってくる。
- なるほど、
-
辻横
- そうそう。
-
馬場
- この曲もホルンの演奏を録音したんですが、
あくまで原曲に忠実に、
ちょっと変わったリズムのままの楽譜を奏者さんにお渡しして……。
- この曲もホルンの演奏を録音したんですが、
-
辻横
- 演奏の方から怒られませんでした?
-
馬場
- はじめは、ちょっと戸惑って苦笑しておられました。
「うわ~、数えにくいなコレ~!」って(笑)。
- はじめは、ちょっと戸惑って苦笑しておられました。
-
一同
- (笑)
-
馬場
- そういう変拍子の曲でして…とお話しして(笑)。
でもさすがプロの奏者さんです、ばっちり吹いてくださいました。
- そういう変拍子の曲でして…とお話しして(笑)。
-
金﨑
- ちなみに
『外伝』では意図的に変拍子の曲をたくさん入れることにされたんですか?
- ちなみに
-
辻横
- 好きなんですよ。裏切るのが。
当たり前の形、パターンで収まりますよ、というのは、
イヤだった。若いころは(笑)。
- 好きなんですよ。裏切るのが。
-
金﨑
- その感覚は、以降のインテリジェントシステムズのサウンドにも流れてますね。
ちょっと変わったことをやってやろうというのは。
- その感覚は、以降のインテリジェントシステムズのサウンドにも流れてますね。
-
辻横
- スムーズな中にストレスを作ると、違和感や緊張感が出るというのかな。
-
金﨑
- バトルの緊張感にもつながる感じがありますね。
ドーマとのバトル曲【戦い4(最終ボス)〈disc5-47〉】もすごいですからね。
- バトルの緊張感にもつながる感じがありますね。
-
馬場
- あれも、一体どうやって作ったんだ、と思いました……。
-
辻横
- 違和感、気持ち悪さ、緊張感……。
私が昔から「●●風」っていうものが好きではなくて、
FEとしてのサウンドというものができたらいいなあ、と……。
当時は、そこまで深くは思ってなかったですけど。
自分なりに何かしたかったという感じでしょうか。
- 違和感、気持ち悪さ、緊張感……。
-
馬場
- 自分なりに何ができるか……良い音楽を仕上げるためのアイデアを、
常に試されていたんですね。自分もそうありたいと思います。
- 自分なりに何ができるか……良い音楽を仕上げるためのアイデアを、
-
辻横
- 個々にね、ほかと違うものを持っているから。
その感覚をぶつけ合って、
これからもいい音楽、いいゲームを作ってもらいたいです。
- 個々にね、ほかと違うものを持っているから。
5. 『Echoes』のための新曲づくり
-
金﨑
- 『外伝』の原曲は28曲だったのに対し、
『Echoes』では全100曲あまりになっています。
イベントシーンが追加されて、
しかもフルボイスということで数が必要になったんですね。
制作をスタートする段階である程度必要な曲の洗い出しをしていたのですが、
『外伝』にはもともとイベントシーン向けの曲が少なかったので、
そういった曲から少しずつ足していき、
最終的にはこのボリュームになっていました(笑)。
- 『外伝』の原曲は28曲だったのに対し、
-
辻横
- アレンジだけでなく、新曲も多いですよね。
-
金﨑
- そうですね。
『Echoes』ではアレンジ曲と新曲とを共存させた上で
世界観を作る必要がありましたので、
新曲を作るにあたって大事にしたのは、
『外伝』の曲といかに調和させるかということでした。
その手段を考えたときに、それぞれのタイトルの橋渡しとなる
メロディがあるといいんじゃないかと。
それで悩んだ末に出来たのが、タイトル画面の曲「Echoes」をはじめ、
いろいろな曲に含まれている
♪ターター タタタターターターターター♪
というテーマです。
実はこのテーマは、
『外伝』の曲が持つ雰囲気に寄り添いたいという意図があって
【全体マップ 3章(解放戦争:それぞれの道)〈Disc5-33〉】の
メロディに着想を得て作ったのですが、
そのおかげか『外伝』の楽曲とも馴染み、
うまいこと融合を果たせたように思います。
- そうですね。
-
馬場
- そういう意図もあり私も、
特に汎用的な曲を作るときにはそのメインテーマを含めるように意識しましたね。
【静穏〈disc1-11〉】とか【潮風と旅人〈disc1-26〉】とか。
一方で、キャラクター性を立たせたような曲を作るときには
必ずしもいれる必要はないと思っていました。
例えば、ルドルフとの戦闘マップで使われている【亡国の王者〈disc3-18〉】とか。
この曲は特に印象に残っていまして、『外伝』のファンには当然重要なシーン、
キャラクターだとわかっていることなので、
それに違和感がない音は何だろうかと、イメージ作りに苦労しました。
- そういう意図もあり私も、
-
辻横
- このコーラスは何語なんですか?
-
馬場
- これは造語ですね。
元は日本語による歌詞が――ディレクターの草木原が考えたものがあって、
それを別の言語に聴こえるように変形させています。
この曲は終盤で流れるのですが、もうそこまでには原曲だけでなく
新曲もユーザーの皆さんがじゅうぶん体験したあとですし、
『Echoes』では終盤に差し掛かるにつれ重厚なコーラスものも増えていくので、
思い切った曲を作ってもよいかなと。
- これは造語ですね。
-
辻横
- 原曲、今までのFEシリーズという縛りがあると、
「『Echoes』らしさ」を出していくのは難しかったと思うんですけど、
こういう新曲をたくさん盛り込まれて
「『Echoes』の曲」のイメージができたのは、すごくいいことだと思いますね。
- 原曲、今までのFEシリーズという縛りがあると、
-
馬場
- ありがとうございます。
-
金﨑
- 新曲を作っていくうちに、アレンジのほうでも原曲に忠実に作るよりも
大胆に手を加えたほうがドラマを演出する上で生かせそうな状況が出てきまして。
例えば、もうすぐでマップクリアだ、
という状況の時に切り変わる戦闘マップ曲をアレンジする段階で、
フルボイスで描かれるストーリーにより没入できるように、ゲームの終盤に向けて
徐々にプレイヤーの気持ちが高まっていくように演出できないかなと。
それで第4章以降で使用してもらうことにしました。
ただ、原曲はそのマップ内での勝利感を高めるために、
比較的明るいハーモニー感なんですけど、
それを思い切って終盤の空気に合うようなアレンジにしたんです。
原曲を知っていても、
ほぼ新曲に聞こえるかもしれないんですけど(笑)。
大胆なアレンジでしたので勇気が必要だったのですが、
ほかの大幅なアレンジ曲も含めて、辻横さんにも相談に乗っていただくことで、
試行錯誤しながらも制作を進めることができました。
- 新曲を作っていくうちに、アレンジのほうでも原曲に忠実に作るよりも
6. 『Echoes』と『ファイアーエムブレムシリーズ』の曲
-
金﨑
- 『Echoes』の楽曲ならではの特徴といえば、
ずばり「ほぼすべての楽曲に生演奏を収録した」ということじゃないでしょうか。
これはファイアーエムブレムシリーズの中でも初めての挑戦でしたね。
これまでのタイトルでも部分的に生演奏を録音することはあったのですが、
ここまで大規模なレコーディングははじめてでした。
今回、Dimension Cruiseの和田貴史さん(アニメ「テラフォーマーズリベンジ」、
NHKスペシャル「MEGA CRISIS 巨大危機」「巨大災害 MEGA DISASTER」などの楽曲を担当)
のお力をお借りしまして、大変素晴らしい演奏を収録することができました。
『Echoes』のサウンド制作がスタートして
わりと早い段階でオファーさせていただいたんですが、
和田さんには楽曲制作をはじめ、
レコーディング、ミックス、マスタリングまで、
サウンドに関するあらゆる面で本当にお世話になりました。
- 『Echoes』の楽曲ならではの特徴といえば、
-
馬場
- こうやっていろいろな方のサポートがあって
『Echoes』の音楽の新たな挑戦が実現できたわけですが、
ファイアーエムブレムシリーズのサウンドには毎回違う挑戦がありますよね。
- こうやっていろいろな方のサポートがあって
-
金﨑
- 辻横さんの楽曲が持つプログレッシブさや、
メロディアスでポップなところは受け継ぎつつ……。
- 辻横さんの楽曲が持つプログレッシブさや、
-
馬場
-
金﨑
- そうですね、amiibo召喚で使われています。
シリーズ作品のマルス、ロイ、アイク、ルフレ、ルキナ、カムイなどの
amiiboを読ませると、そのキャラクターを召喚できるんですが、
戦闘中の曲が彼らの登場作品のものになるという。
ロイの『封印の剣』からの曲は馬場に新規で書いてもらいました。
あの曲のアレンジは初めてだったはず?
ロイのamiiboを持ってないと聴けないんですけどね……。
- そうですね、amiibo召喚で使われています。
-
馬場
- でも、このサウンドトラックを買えば聴ける!?(笑)
-
辻横
- まあ、すばらしい(笑)。
-
馬場
- ちょっと営業的な発言でしたが(笑)。
辻横さんが最近書かれた
『TCGファイアーエムブレム0(サイファ)』のメインテーマ曲もね、
『Echoes』の追加コンテンツで聴くことができます。
- ちょっと営業的な発言でしたが(笑)。
-
金﨑
- そちらのメインテーマは原曲そのまま使わせていただいていますので、
世界初収録ですね!
もちろんサントラにも収録されております。
【ファイアーエムブレム0 メインテーマ〈Disc5-18〉】
- そちらのメインテーマは原曲そのまま使わせていただいていますので、
-
辻横
- うれしいですね(笑)。
私は金﨑君や
森下君(森下弘生[もりした・ひろき]。『if』サウンドディレクターなど)
みたいな複雑で繊細な曲は作れないんですけど……。
ちょっと近づこうかなあ、なんて意識して。
やっぱり曲にも、その人の個性が出るのでね。
- うれしいですね(笑)。
-
金﨑
- いえいえ、近づくだなんて恐縮です!
逆に僕には辻横さんのような曲は書けないですよ。
でも、たしかに作り手によって作風といいますか、カラーってありますよね。
- いえいえ、近づくだなんて恐縮です!
-
辻横
- どちらかというと森下君の曲調は女性ぽくて、私が男性的なのかな。
その間のユニセックスな感じが金﨑君かなと思ってます。
馬場君はね、その周りの、ちょっとこう変わったところを攻める人みたいなね。
- どちらかというと森下君の曲調は女性ぽくて、私が男性的なのかな。
-
金﨑
- そんなイメージをお持ちだったんですね(笑)。
-
辻横
- あと関河君(関河義人[せきがわ・よしと](旧・平野義人)。
『蒼炎の軌跡』、『暁の女神』サウンドディレクター)はハイソな感じのね。
彼は現代音楽なんですよ。
- あと関河君(関河義人[せきがわ・よしと](旧・平野義人)。
-
馬場
- そういうサウンドディレクター陣のコラボレーション、
いろんな曲が、この1枚で聴けると(笑)。
- そういうサウンドディレクター陣のコラボレーション、
-
金﨑
- 『外伝』と『Echoes』、amiibo用のアレンジもそうですし、
新旧の曲をこうして語り合えるのはいいですね。
- 『外伝』と『Echoes』、amiibo用のアレンジもそうですし、
-
辻横
- FEのサウンドとしてつながってるのがいいですね。
こうして長く続いているシリーズですから、かかわる人も大勢いますし、
ハードもFC、SFC、GBA、DS、Wii、3DS……たえず変化し続けている中でも、
FEとしてのイメージを保っているのはすばらしいことですね。
過去も大事にしてもらいつつ、
今の方々の個性も出るというのは、いい形ではないかなと思います。
- FEのサウンドとしてつながってるのがいいですね。
7. 受け継がれるエンディングテーマ
-
金﨑
- 聞いてみたかったんですけど、
『外伝』の中で辻横さんが好きな曲は何でしょう。
- 聞いてみたかったんですけど、
-
辻横
- うーん、好きな曲……。
『外伝』に限らないですけど、手を離れて……そんな感覚ないですか?
作り終わったら自分の曲から離れて行くような(笑)。
でも、一番力と時間をかけるといったら、
やっぱりエンディング曲になりますね。
歌える、やさしい曲がつくりたいという思いがありました。
- うーん、好きな曲……。
-
金﨑
- 『外伝』でも歌ものをイメージされていたんですか?
-
辻横
- そうなんです。
歌い手さんがいるのを想像して、メロディアスなイメージでね。
実はそのころから将来の夢があって、
歴代のエンディングのボーカルコレクションを、という……。
- そうなんです。
-
金﨑&馬場
- おお!?
-
辻横
- あとは甲子園でエムブレムの行進曲を流してほしいって(笑)。
運動会で使ってほしいなということはこれまでも言ってきてますけど。
- あとは甲子園でエムブレムの行進曲を流してほしいって(笑)。
-
馬場
- ボーカルコレクションも甲子園バージョンも、聴いてみたいですね~。
-
金﨑
- その『外伝』のエンディングはこんな曲ですね。
-
金﨑
- 途中からこのメロディに切り替わるんですよね。
そうか、これを歌にすればよかったのか。
監修いただいた際に今の話をお聞きしていれば……。
- 途中からこのメロディに切り替わるんですよね。
-
辻横
- ううん、『Echoes』は「『Echoes』の曲」でいいと思うんです。
『外伝』の曲とは違うものだから。
- ううん、『Echoes』は「『Echoes』の曲」でいいと思うんです。
-
馬場
- 『外伝』では
単純に【エンディング2〈disc5-63〉】という曲名だったのですが、
『Echoes』でのアレンジ曲には
【あなたを呼ぶ声〈disc4-19〉】という名前が付きました。
シナリオ担当の栗原が名付けたものですが、
先ほどの事情は知らなかったはずなのに、
歌のようなイメージという点が偶然にも一致しましたね。
- 『外伝』では
-
金﨑
- 僕は原曲を聴いたときにギターの音色が浮かんだので、
その方向でアレンジさせていただきました。
先ほどのフォローではないですが、ギターは歌っています(笑)。
- 僕は原曲を聴いたときにギターの音色が浮かんだので、
-
辻横
- ああ、いいですね
-
金﨑
- 原曲を忠実に再現しようと、
ギターの演奏上1パートだと難しい部分は別のパートに分けたりして。
でも、もしボーカルコレクションを作る機会がありましたら、
その時はぜひ歌ものバージョンをお願いします!
- 原曲を忠実に再現しようと、
-
馬場
- この流れで『Echoes』のエンディングテーマ
【アルカディアの継ぎびと〈disc4-20〉】についてもくわしく伺ってみましょうか?
- この流れで『Echoes』のエンディングテーマ
-
金﨑
- さきほど辻横さんが「エンディングには歌ものを」とおっしゃっていましたけれども、
当時『トラキア776』の「Blow’in in the wind」のように
エンディング曲のボーカルカバーがあったりはしましたが、
歌ものとしてゲーム上で明確に実現されたのは『蒼炎の軌跡』だったと思うんです。
そのあとの『暁の女神』や『if』もそうですね。
僕はその流れから
今回もエンディングテーマは歌であったほうがよいのかなと考えたんですよ。
まさか『外伝』も歌ものをイメージされていたとは。
- さきほど辻横さんが「エンディングには歌ものを」とおっしゃっていましたけれども、
-
馬場
- 金﨑はわかってたんですね、エンディングと歌の関係性を(笑)。
-
辻横
- いいと思います(笑)。
-
金﨑
- 『Echoes』のメロディを使って、物語の余韻に浸れるような曲が作れたらいいなと。
この曲にかける思いとしては、大地母神ミラの視点から、
時代の移り変わりというか神の時代から人の時代へバトンが移り……。
理想郷の継ぎ人というイメージですね。
そういうことを考えて、曲の最後にタイトル画面の曲「Echoes」の
ピアノフレーズを入れて関連性を持たせました。
エンディング曲とタイトル曲が「こだま」し「響き合う」といいなと思いまして。
- 『Echoes』のメロディを使って、物語の余韻に浸れるような曲が作れたらいいなと。
-
馬場
- 歌詞はディレクターの草木原が書いたものですね。
-
金﨑
- それで、歌い手さんをどうしようかと悩んでいたときに、
イメージに合ういいアーティストさんがいるよと馬場から
Janis Crunchさんを紹介してもらったんですね。
アーティストとしての世界観も『Echoes』の持つ空気と共鳴しそうだったので、
ぜひオファーしてみようと。
エンディング曲から続くように、タイトル画面の曲「Echoes」のコーラスも
Janisさんにお願いしました。
- それで、歌い手さんをどうしようかと悩んでいたときに、
8. さいごに
-
馬場
- 最後に、辻横さん我々になにかひとことお願いいたします。
-
辻横
- 『ファイアーエムブレム』というシリーズが27年目を迎えて、
これだけ長く続いていますと、
たとえば小学生のころ、中学生のころに遊ばれて
「こういうゲームが作りたい」と思ってもらったりして、
この業界へ入って来られる時代ですよね。
ですので――インテリジェントシステムズに入って来られる方は特に(笑)、
その時点で『ファイアーエムブレム』の空気感ですとか、
ゲームデザインもそうですけどそういったものが
染み込んでいる方たちが入って来られますのでね。
そのおかげで、シリーズに流れているものを大事にして、
うまく引き継いでくれて、続いているんだと思いますね。
『ファイアーエムブレム』という、
ほかにはない独特のゲーム性、これからもそれを大切に……
長く続くと苦しみもね、違う苦しみも増えると思いますが(笑)、
これからもがんばっていただきたいですね。
- 『ファイアーエムブレム』というシリーズが27年目を迎えて、
-
馬場
- ありがとうございます!
毎回FEのイメージを壊しすぎても続かないでしょうし、
ひとつ『ファイアーエムブレム』というゲームの芯がメインにあって、
サイドの部分で冒険していけるという感じがいいのかもしれないですね。
- ありがとうございます!
-
辻横
- そうなんでしょうね。
-
金﨑
- ありがとうございます!シリーズの良さを大切にして、
まだまだ未来へ向かってがんばってまいります!
- ありがとうございます!シリーズの良さを大切にして、
-
馬場
- はい、それでは本当に最後です。
この対談を読んでいただいているお客様にもひとことをお願いいたします。
ではまず私から…。
- はい、それでは本当に最後です。
-
- 『Echoes』は、社内のサウンドスタッフほぼ総動員で作って、
辻横さんにもお世話になって、今までのシリーズの中でも
音楽にかかわった方が多い作品になったと思います。
あの……、今、こういう形で話してますけど、
当然ながら僕がひとりで作ったわけでもないですし、一曲一曲に、
それぞれかかわった人が大勢います。この一音をどうするか、
その一音をどうするかのためだけに、なにかしらの汗をかいて曲ができあがる……。
このサウンドトラックで曲を聴きながら、そんな面にも意識を向けていただき、
味わっていただければと思います。
機会があれば『Echoes』をあらためてプレイしていただいて、
ちょっとしたドット絵の動きにも注意してもらったり、
いろんな人が携わってできた世界であるということを
楽しんでいただければうれしいです。
- 『Echoes』は、社内のサウンドスタッフほぼ総動員で作って、
-
金﨑
- 『Echoes』はリメイクということで、
当時『外伝』を遊ばれた方も、
今回が初めてのFEという方もいらっしゃると思います。
みなさまそれぞれの思いを胸に
『Echoes』を遊んでくださったことかと思いますが、
僕たちも今日対談したようなことを考えながら、
いろいろな思いを込めて『Echoes』の音を作りました。
音を作っている立場からのお話でしたので、
途中専門的な内容でわからないこともあったかもしれませんが、
最後まで読んでくださったみなさまにとって、
少しでも新しい発見があればうれしいです。
そして、それを受けてまた違った角度からゲームをプレイしていただいたり、
サウンドトラックを聴いていただいたりして、
これからも末永く『Echoes』を楽しんでいただけると幸いです。
- 『Echoes』はリメイクということで、
-
辻横
- そうですね。
『Echoes』に限らず『ファイアーエムブレム』は
いろんな楽しみ方ができると思うので。
2作めの『外伝』と16作めの『Echoes』。
遊ばれる方の年齢層も、当時子供だった方が親御さんになられたり、
そのお子さんとご一緒にとか、幅広く家族で、
皆さんで楽しめるものであってほしいと思います。
また、ゲームに乗っている――3DSから聴く音楽と、
サウンドトラックで聴く音楽というのも感じ方が違うと思いますから、
そのあたりも色々と楽しんでもらえたら、
我々音楽を担当する者にとって、うれしいことですね。
- そうですね。
-
金﨑
- 本当にそうですね。
これからも『ファイアーエムブレム』と、その音楽をよろしくお願いいたします!
- 本当にそうですね。
-
- 2017年6月収録
収録曲
Disc 1
- タイトルループ
- Echoes
- ファイアーエムブレムのテーマ
- 日常
- 春陽
- 叛徒
- 朋輩の勇戦
- 迫りくる脅威
- 別離
- オープニング
- 静穏
- 決起
- 風戦ぐ大地
- 解放への勇進〜序
- 恐れを知らぬ白刃の
- 悪逆の気配〜序
- 暗流
- 躍り來る災厄
- 水の旋律
- 黒の貴公子
- 安らぎの賛歌
- 暁の方舟
- ミラの加護とともに〜序
- 風に舞う刃
- 不穏の足音〜序
- 潮風と旅人
- 誇りを胸に
Disc 2
- まだ見ぬ地平へ
- 戦備 解
- 解放への勇進
- 悪逆の気配
- 悦楽の暴徒
- 背徳の騎士
- 境界
- 不穏
- 鎚音の行方
- 戦備 祈
- ミラの加護とともに
- 不穏の足音
- 鬩ぎ合う力
- 癒しの響き
- 逆賊
- 進軍
- 咒詛
- 奸計
- 緊迫
- 祈り砕けて
- 怒れる女神
- 御心のままに
- 運命
Disc 3
- 在りし日の唄
- 往く地の果てには
- 贄と聖女
- 怨望の地より
- 面影
- 兄妹
- 彷徨の森
- ひとつの星の傍らに
- 遠い約束
- 妄信の頂
- 冥暗
- 退廃の花
- 微睡みの迷宮
- 英雄たちの戦い
- 純黒の皇子
- 高慢と誇りと
- 戦果
- 亡国の王者
- 残光
- 残光は消えゆき
- 回想
Disc 4
- 真実
- ドーマの禍響
- 神に抗う者よ
- 力の代償
- 讃えよ、この絶望を
- 王の子は煉獄に踊る
- 銀の庭であなたと
- 狂いし神の祝福を
- 異変
- 死闘
- 黙示ありて
- 黎明
- 出逢い
- 戦備 邂逅
- 力の妄執
- 神よ、その黄昏よ
- 邪神狂瀾
- 神と人の軌跡
- あなたを呼ぶ声
- アルカディアの継ぎびと
Disc 5 データCD
- 歓喜の階梯
- 平野に風を追いかけて
- 英雄王の軌跡
- 忠義尽くさん
- 好敵
- 「I」〜望
- Attack!
- 血の宿運
- 禁忌の聖域
- 天敵
- 真理への誘い
- 神秘の辺
- 栄光は永遠に
- 紛擾の大地
- 輝星の高みに
- 正義の境域
- 楽園は未だ遠く
- ファイアーエムブレム0 メインテーマ
- Heritors of Arcadia
- Heritors of Arcadia -short version-
- アルカディアの継ぎびと -short version-
- アルカディアの継ぎびと -instrumental-
- ファンファーレ(レベルアップ)
- ファンファーレ(仲間入り)
- ファンファーレ(ダンジョンエンカウント 先攻)
- ファンファーレ(ダンジョンエンカウント 後攻)
- ファンファーレ(アイテム入手)
- ファンファーレ(記憶の欠片入手)
- ファンファーレ(ミラの歯車を限界まで使用)
- オープニング
- 全体マップ 1章(ソフィアへ:アルムの旅立ち)
- 全体マップ 2章(セリカの旅立ち)
- 全体マップ 3章(解放戦争:それぞれの道)
- 全体マップ 4章(悲しみの大地)
- 全体マップ 5章(再会、そして)
- 戦闘マップ1 戦闘MAP1_1(アルム1)
- 戦闘マップ2 戦闘MAP1_2(アルム2)
- 戦闘マップ3 戦闘MAP2_1(セリカ1)
- 戦闘マップ4 戦闘MAP2_2(セリカ2)
- 戦闘マップ5 最終MAPBGM(プレイヤー側)
- 戦闘マップ6 戦闘MAPBGM1(CP側)
- 戦闘マップ7 戦闘MAPBGM2(CP側)
- 戦闘マップ8 最終MAPBGM(CP側)
- 戦い1(プレイヤー側)
- 戦い2(CP側)
- 戦い3(中ボス)
- 戦い4(最終ボス)
- 戦い5(最終面・味方の攻撃)
- ライブの杖使用時
- ストーリー1 復活の森
- ストーリー2 地下・通路
- ストーリー3 寺院・神殿
- ストーリー4 塔
- ストーリー5 村
- 出逢い
- 城(マーチ)
- 味方 倒れる
- ゲームオーバー
- ファンファーレ1(レベルアップ)
- ファンファーレ2(仲間入り)
- ファンファーレ3(戦闘開始)
- エンディング1
- エンディング2
関連リンク
- 任天堂ホームページ
- ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王
- ファイアーエムブレムワールド 【FIRE EMBLEM WORLD】